今回はあの大人気映画『 STAR WARS 』シリーズからブランディングについて学んでいきたいと思います。
DESIGNER
C.Y.
まずはじめに、皆さんは「ビジョン」と「ミッション」という言葉をご存知でしょうか。 この二つはブランディングにおいてキーワードとして用いられることが多い言葉です。
ビジョンとは組織や個人がこうありたいという姿のこと、すなわち理想の姿・目標のもっと具体的な、欲望のようなものです。
ミッションとはビジョンを達成するために行う行動や戦略のことを意味します。
例えば、企業や組織・個人がブランディングを行なう際、初めにそのブランドがどうあるべきか、 そしてどんなモノにしたいかといった未来のことを考えます。
そしてユーザーにとって、より魅力的な未来を提示することがブランドの成功に繋がるので、消費者の本当のニーズを適確に把握する必要があります。
市場にはどんなものが出回っている? 他社と比べてどんな利益を提供できる? 競合に満たせていないニーズは?
など、様々な角度から戦略を考えます。
このように、ユーザーの一人ひとりに確固たるイメージを持ってもらう必要のあるブランディングは、この二つが定まってはじめて成り立つのです。
本題に入る前に、スターウォーズがどうやって生まれたのか、どんなお話なのかを簡単にお伝えしたいと思います。
スターウォーズ一作目が公開されたのは今から43年前、1977年のことです。当時の世界は冷戦真っ只中で、アメリカでは泥沼化していくベトナム戦争※1※1ベトナム戦争とは、1955年11月1日〜1975年4月30日、インドシナ戦争後に南北に分裂したベトナムで発生した戦争の総称のことをさす。への不信感で重たい空気で溢れていました。 加えて、アメリカンニューシネマと言われる反体制的な暗い映画作品が流行っている世の中で多くの国民が「みんながワクワクできるハッピーな世界」を望んでいました。
そこで突如登場したのがスターウォーズです。
宇宙空間を支配する悪の帝国。 そこに立ち向かう主人公ルーク・スカイウォーカー。 ライトセイバーという武器を手に、光の騎士ジェダイへと成長していく物語。
この通り、みんながワクワク出来て、みんなでルーク・スカイウォーカーを応援できるツールであったスターウォーズは、当時誰もがこの暗い世界から抜け出したいと思っていたニーズを見事に射抜き、アメリカで大ヒットし、世界中に広がりました。
※1 ベトナム戦争とは、1955年11月1日〜1975年4月30日、インドシナ戦争後に南北に分裂したベトナムで発生した戦争の総称のことをさす。
それでは、スターウォーズがヒットした理由と、ブランディングに通ずる要素を私なりに解釈しました。
上記にもあるように、暗く重たいアメリカを救うような映画であったスターウォーズは、当時の人々を惹きつける魅力的な世界を提示しました。ブランドもユーザーにいいなと思わせる、より魅力的な世界を提示する必要があります。 このブランドからはどんな未来が手に入るんだろうと思わせるような、具体的で魅力的な世界です。
例えば自分が肌荒れに悩んでいるとします。 どの化粧品を買おうかなと悩んでいる時、これを使ったら肌が綺麗になりそう! とリアルに素敵な未来がイメージできるものを手に取ると思いませんか?
そのように、ユーザーにリアルに引き込まれる魅力的な世界を提示することは ブランディングにおいても大切と言えます。
実はスターウォーズは映画そのものの売り上げよりも、 グッズやゲームなどの関連商品の売り上げの方が多いことをご存知でしょうか。
1. で魅力的な世界を提示することが大切としました。 なぜならその世界を手に入れたいと思ったユーザーが顧客として着くからです。スターウォーズは、その世界を手に入れたいという心を、 「世界観を持ち帰らせる」という観点でたくさんのグッズを作りました。
加えて、公式で出していない他者が作ったスターウォーズのスピンオフ作品も、非正史としてルーカスフィルムが直々に作品を認めることを証言したことにより、スターウォーズはファンひとりひとりの手によって自由に出入りできる世界となりました。
このような、当時映画界ではありえないと思われるような競合との闘い方をしたスターウォーズ。 あの爆発的な興行収入には、こんなカラクリがあったのです。
他社では満たされていないニーズを満たすこともブランドの成功に必要不可欠な要素と言えます。
スターウォーズを題材に、ブランディングに通ずる要素をお伝えしていきました。 コロナウイルスの影響でお家でやることが無い!となってる今、 ただ映画を鑑賞するだけでなく、ヒットの秘密を探してみてはいかがでしょうか。
この記事がそんな楽しみ方のヒントになれば嬉しいです。
今日もあなたに気づきと発見がありますように
画面を回転してください