今やAirbnbは世界中の人々に知られ、私たちの生活に深く浸透しています。Airbnbのようなスタートアップ企業が創業からわずか約5年間で、900万名のゲストにサービスを提供するほどの成功を予見できた人はどれほどいたでしょうか?
また、Airbnbのような革新的なビジネスアイデアを生み出し、事業を軌道に乗せるには何が必要なのでしょうか?
Airbnbの成功は、偶然の産物ではなく、創業者たちの独自のアプローチとビジョンの共有が大きな鍵となっています。
今回は、Airbnbの共同創業者兼CPO Joe Gebbiaが実践している「ストーリーボードの活用」と「ビジョンをデザインする力」についてご紹介します。
DESIGNER
Y.T.
ストーリーボードは、物語の流れやユーザー体験を視覚化する手法で、もともとは映画やアニメ制作に用いられていました。
Airbnbの共同創業者 Joe Gebbiaは、ストーリーボードの重要性について次のように述べています。
“Bringing words to life, storyboards show you things that words can’t.”
「ストーリーボードは言葉に命を吹き込み、言葉では表現できないものを見せてくれる。」
Airbnbの世界観を明確にするために、絵コンテとしてストーリーボードを活用することで、サービスの利用プロセスを視覚化し、社員全員が同じ未来像を描けるようにしたのです。これにより、チーム全体が共通のビジョンを持ち、サービスの方向性を具体化することができました。
・アイデアの具現化→ チーム全体で世界観を共有
・ユーザー体験の設計→ ユーザージャーニーの重要なポイントを特定
・戦略の土台を築く→ 課題を明確にし、発想を飛躍させる
ストーリーボードは単なるアイデアの可視化ツールではなく、アイデアを客観的に見直すことで構想を飛躍させるための重要な手段となったのです。
Airbnbの創業者たちは、自社の未来だけでなく、社会全体の未来をもストーリーボードに描いていました。
ビジネスは社会の一部であり、社会全体の動きを理解し、未来の変化を見据えることで、自社の本質的な立ち位置を見出すことができます。これは、単に市場のトレンドを追うのではなく、社会のニーズや価値観の変化を先読みし、企業としてどのように関わるべきかを考えるプロセスでもあります。
結果、Airbnbは、単なる宿泊サービスではなく、"世界中の人々が異なる文化に触れ、新しい出会いを生む場"を目指しました。その結果、ホテルとは異なる価値観を持つプラットフォームが生まれたのです。
ビジョンをデザインするとは、未来の社会全体の在り方を思い描きながら、自社の役割を明確にし、方向性を定めることです。そのために、ストーリーボードは極めて有効な手法となるのです。
ビジョンを共有することは、組織の成功に不可欠です。それは単なる目標設定ではなく、「会社が目指す未来の姿」を明確にすることを意味します。
社員の理解が深まる:
会社の未来像が明確になることで、各メンバーが自身の役割を認識しやすくなる。
方針の統一がしやすい:
組織全体が同じゴールを持つことで、判断のブレが減る。
チームの結束力が強まる:
目指すビジョンを共有することで、協力しやすい雰囲気が生まれる。
Airbnbではデザイナーやエンジニアなど全スタッフが、自分自身のビジョンをストーリーボードで表現し、共有していました。これにより、個々の目標と会社のビジョンが融合し、革新的なアイデアが生まれやすい環境が整ったのです。
変化が著しく、未来の予想がよりしづらくなっている昨今、明るい未来を想像し、ポジティブな力で未来を変えていく力がより求められています。
ビジョンのデザインをする上でストーリーボードは、単なるツールではなく、チーム全体が同じ方向を向いて、未来思考で進むための羅針盤です。
Airbnbの成功は、この手法がいかに効果的であるかを示しています。ぜひ皆さんも、ストーリーボードを活用し、ビジョンをみんなでデザインしてみませんか?
少しでもこの記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。
今日もあなたに気づきと発見がありますように
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