企業の商品やサービスのブランディングを高めるための手法の一つが動画の活用です。 今回は、近年のコンセプトや注目を集めているブランディング動画を活用するメリットや成功のポイントを事例と合わせて紹介します。
DEVELOPER
K.K.
ブランディング動画とは、視聴者に自社が持つ独自性や存在意義、自社サービスに対して信頼や安心感を持ってもらうことを目的とした動画であり、直接的に販促を狙うものではありません。知名度の浸透、認知度の形成、親しみの向上、評価獲得・向上はもちろん、売上への働きや優秀な人材確保といったメリットも得られます。
ブランディングムービー最大のメリットは、視覚と聴覚の両方に訴えかけることができる、ということです。雑誌や新聞などの静止画では視覚を通じての訴求しかできません。映像だけでも静止画と異なり、動きがあるため豊かな表現が可能となり様々なメッセージが伝わりますが、音を加えることで、視覚と聴覚と両方で訴えかけることができ、表現の幅も大きく広がります。
同時に、短時間で多くの情報を伝えられることも大きなポイントになります。短く練られた企業理念は文字だけでターゲットに理解していただくのは難しいと思います。言葉で具体的に表現しにくい付加価値やコンセプトを音や動きことで、イメージで情報をターゲットに浸透しやすくなります。ストレスなく企業からのメッセージを受け取れるという点も大きな魅力といえます。 それでは事例紹介に交えて成功のポイントを紹介します。
ユニリーバのブランドDoveの「リアルビューティー・スケッチ」は2013年に公開され、視聴回数においてオンライン動画1位に輝いたバイラルムービー※1※1バイラルムービーとは、口コミ動画のことをさす。動画マーケティングで主流になっている。です。その再生数は1億3489万9405回にも昇りました。女性たちに自らの本当の美しさを気づかせる実験を行い、動画最後の「You are more beautiful than you think(あなたはあなたが思っている以上に美しい)」のメッセージに説得力を持たせ、多くの人の心を動かしました。動画を通じポジティブな気づきを与えられて、ずっと心に残るところがすごいと思いました。
※1 バイラルムービーとは、口コミ動画のことをさす。動画マーケティングで主流になっている。
こちらは他の地方自治体のPR動画よりも一際大きく話題になった総再生回数450万回超えの動画で、大ヒットにつながった理由は「この動画の再生回数が100万回を達成したら遊園地と温泉をミックスした湯~園地をつくる」という企画そのものにあります。「こんなものがありますよ」という現在の状況をPRするのではなく、「こんなことがやりたいんです」という未来の希望をPRしている点が新しく、達成する過程に見ている人を自然に巻き込むようなコンテンツになっていることが、多くの拡散につながったポイントと言えます。
家ではなく、そこに住む「家族」にスポットを当てた動画を配信 「家と家族に関するエピソード」を募集し、入賞作品を元にCM動画を作成しました。誰もが経験したような感動的なストーリーを、リアルなユーザー視点である投稿作品で作成したことで、多くの人を惹きつけました。
動画内で本物の東大生が挑戦してもらうテストの設問は「母親の年齢は?」「いままでで一番嬉しかった言葉?」など母親にちなんだもの。解けなかった彼らは、実際に答え合わせを自分で行い、直接母親に尋ねることになります。ドキュメンタリータッチで描かれており、「意外と母親のことを知らない」や「最近母親と会話していない」といった隠れたインサイトをうまく刺激される動画です。
ブランディング動画では、いかに視聴者の感情に働きかけ、共感や感動を誘うことができるかが重要になります。自社の商品・サービスの価値を把握をきちんと把握し、コンセプトを決めておくことも大事です。ブランディング動画では、最終的に視聴者に何を伝えたいのかという大まかな軸を決めておく必要があります。動画の軸となるコンセプトが定まれば、おのずとストーリーや要素のアイディアも生まれやすくなります。
今日もあなたに気づきと発見がありますように
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