3月になり新しい芽吹きや新しい出会い、ワクワクするようなことがたくさん思い浮かぶと思います。 今回は「春を感じさせる色」を、絵画を例に紹介していきます。
DESIGNER
Y.H.
ルネッサンス期にイタリア人画家、サンドロ・ボッティチェリにより描かれた「ヴィーナスの誕生」。
ギリシャ神話より愛の神ヴィーナス誕生の物語を描いています。
花を蒔き祝福する風の神や、衣服の花の刺繍から、場面は春であることを示します。
絵中で「春」は誕生、喜びを意味しています。
流れる黄金の髪の毛、透き通る白い肌、広がる海の色などとても優美な色味を使っています。
色調は大きく分けて、暖色系と寒色系を使用しています。
ヴィーナスの肌色はさりげなく寒色系の色味で囲み、赤色のローブと対比させ色の効果を際立たせています。
落ち着きがあり洗練されたカラーパレットなので、クラシカルな場面でも使えそうです。
Wikipedia:The Birth of Venus
昭和47年に日本画家奥村土牛により描かれた、京都・醍醐寺のしだれ桜です。
淡い色味の桜の花びら、そして対象的に力強い木の幹が描かれています。
花びらはどこまでも淡く、透明な薄紅色をしています。
透明感や深みを出すため、花の部分は100回以上薄い色味を重ねたと言われています。
その努力によって、見事な満開の桜が表現されています。
和のデザインをする時に活用できそうなカラーパレットですね。
この作風から誰の作品かわかる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
印象派を代表するクロード・モネが描いたチューリップ畑です。
オランダ、ザセンハイムの村の南の端にある農園で描いたようです。
赤、緑、黄、紫、青など色とりどりに描かれた絵は春の芽吹きを感じさせます。
はっきりとした色合いなので、力強い印象を与えたい時に使えそうです。
西洋絵画美術館:ライデン近くのチューリップ畑
1887年、フィンセント・ファン・ゴッホによりセーヌ川を舞台に描かれた作品。
自然光の下で描いた事でたくさんの色彩を取り入れられ、ダイナミックな仕上がりになっています。
木一つとってもいくつもの色味が見られます。
光と影の変わりゆく色彩の本質が描かれており、光と影や、色彩、キャンバス、ストロークなど一刻一刻変化するリズムが絵から感じられます。
art-vanGogh.com:春の釣り
出典:http://art-vangogh.com/paris_127.html
満開に咲き乱れる桜、そしてその中央には富士山が顔を出します。
北斎といえば「凱風快晴」の力強い色彩の富士山が印象ですが、この作品では「凱風快晴」と対照的な柔らかな線、そして透明感のある色味で日本の春を描いています。
絵全体の柔らかな雰囲気が春を感じさせます。
見ていてとても穏やかな気持ちになります。
柔らかな春の印象を与えたいときに使えそうなカラーパレットです。
いかがでしたでしょうか。
今回は「春」をテーマにした絵画を通してカラーパレットをご紹介しました。
新しい発見などありましたら幸いです。
デザインする際に色味に困ったら、ぜひ活用してみてください。
一色でも使えそうなきれいな色味ばかりですのでこれからの時期、日々の生活や、デザインなどに取り入れてみてください。
今日もあなたに気づきと発見がありますように
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