もはや企業がコーポレートサイトを持つことが当たり前になっています。 それに伴って必要性が高まっているのがSEOです。vol.90ではSEOの一環であるschema.orgについてお話ししましたが、今回は「SEO入門編」をお伝えします。
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N.S.
SEOとは”Search Engine Optimization”の頭文字を取ったもので、日本語では「検索エンジン最適化」と訳されます。自社(自分)のWebサイトをより多く表示させ、サイトへの訪問者を増やすために行う取り組みのことを指します。
サイトを多く表示させる、つまり、自社(自分)のWebサイトを検索結果の上位に出てくるようにして目に付きやすくし、最終的な目的(商品の購入など)に結びつけることがSEOの主な目的ですね。
上位に出てくるようにする方法としてリスティング広告がありますが、SEOは自然検索によって上位に持っていくことを目指します。費用をかけずにできる対策として、ぜひ取り入れたいですね。
また、この記事内での検索エンジンはGoogleを想定しています。
日本国内において、検索エンジンのシェアはPC・モバイルともGoogleが9割以上を占めているためです。尚、国内で人気のあるポータルサイト「Yahoo! JAPAN」はGoogleと提携関係にあり同じ検索アルゴリズムを使用しているため、検索エンジンとしてはGoogleという扱いにしています。
SNS利用者が増え、一人一台モバイル端末を持つ時代になりました。PCを持たないスマートフォンネイティブの若者が増加し、シニア世代の利用者も増えています。
そんな中Googleは、公式ブログでモバイルファーストインデックスを開始すると発表しました(2018年3月)。
Googleウェブマスター向け公式ブログ「モバイル ファースト インデックスを開始します」
モバイルファーストインデックスとは、モバイル向けのWebサイトで検索順位を決めていくという方針です。
既存サイトでスマートフォン、iPadを始めとしたタブレッド対応ができてない場合は検索エンジンからの評価が落ちていくことを意味します。これから新規でWebサイトを立ち上げる場合は、スマートフォンを中心に設計をすることが重要となり、PCよりもモバイルを意識して構築する必要があります。
上記の理由からもモバイルフレンドリー※1※1モバイルフレンドリーとは、モバイル(スマホ)用に表示を最適化して、モバイルから快適にウェブページを閲覧できるようにすること。なWebサイトを構築することは必須といえるでしょう。
モバイルフレンドリーとは、Webサイトを表示する際に、PCだけでなくスマートフォン・タブレットなどのモバイル端末でも、見やすく使いやすい表示であることを指します。
Webサイトをレスポンシブデザインにしたり、Javascriptなどでユーザーエージェントを判定し、サイトの表示を切り替える方法などがあります。
レスポンシブデザインとは、ユーザーの画面サイズやブラウザに応じて、Webページが適切なサイズに調整されるデザインです。PCでも、スマートフォンなどのモバイルでも同じような見やすさ・使いやすさが得られるためユーザビリティに繋がり、検索エンジンからの評価も上がります。
一人一台モバイル端末を持つ現在、これからサイト改修や新規サイト構築をする際、レスポンシブデザインは必ず対応しましょう。
またレスポンシブデザインは、一つWebサイトを作っておけば閲覧する方の環境に合わせて最適な表示がされるため、開発者側の負担が軽くなるというメリットもあります。
自社サイトがモバイルフレンドリーかどうかは、ウインドウの幅を縮めて見るほか、Googleの提供するチェックツールもあるので一度確認してみましょう。テスト結果をGoogleに通知することもでき、自身のサイトがモバイルに対応していることを検索エンジンに明示的に伝えられます。
※1 モバイルフレンドリーとは、モバイル(スマホ)用に表示を最適化して、モバイルから快適にウェブページを閲覧できるようにすること。
SEOは、どんな人にサイトを見てほしいのか(=ターゲット)をしっかり想定しておくことが重要です。ターゲットによって、どんなキーワードを入力して検索するのかが変わるからです。そしてこのキーワードの選定が、SEOにおいて最も重要であると言えます。
効果的なキーワードを選ぶために、以下を考えてみましょう。
※ペルソナ=商品開発の際に設定される、ある製品やサービスを利用する架空の人格。名前、性別、年齢、趣味、住所など細部に至る人物像を作り出し、その人格に感情移入することで、ユーザビリティーに優れた製品・サービスの開発に結びつける。
こうして出てきたキーワードのうち、どれを最優先に対策していくか迷うこともあると思います。
「Google Adwords キーワードプランナー」で、そのキーワードが需要のあるものかどうかを調べることができます。ターゲットにとって重要度が高いと思われるキーワードから対策していきましょう。
サイト名を考える際に大事にしたいのが「わかりやすさ」です。膨大な量のサイトがある中で自社のサイトを見てもらうには、直感的にわかりやすい名前をつけることが重要です。
これらが直感的にわかりやすいと、クリックしやすくなりますよね。先ほど考えたキーワードを盛り込んで、SEOを狙いましょう。
コーポレートサイトの場合は、企業名をサイト名にするのが一般的です。SEOの観点から見ると、企業名だけでなくキーワードと組み合わせるとより良いです。 例えば当社のサイトでは、サイト名を「ブランディングカンパニーBOEL Inc.」とし、ブランディングが得意な会社です、としっかりアピールしています。ユーザーにとっても、どんな会社なのかがわかりやすくなります。
キーワードをタイトルに入れることが難しい場合は、サブタイトルにキーワードを入れることも検討しましょう。
ドメインとは、インターネット上の住所のことです。当社のサイト https://boel.jp/ で言うと「boel.jp」がドメインです。「.jp」はJapanの略で、日本企業のサイトであることを意味しています。
よく見かける「◯◯.co.jp」というドメイン、この「co」はcorporateの略なので、co.jpは日本企業のコーポレートサイトであると言う意味になります。
主なドメインでは「.com」は営利組織向け、「.net」はnetworkの略でネットワーク関連向け、「.info」はinformationの略で情報サービス向け、「ne.jp」はネットワークサービス向け、などがあります。Webサイトを新規で立ち上げる場合、そのサイトの特徴に合わせて独自ドメインを取得しましょう。
ドメインの種類を決めたら、ドメイン名を決めましょう。当社のようにコーポレートサイトの場合は、企業名を付ければ良いですね( https://boel.jp/ ←ドメイン名に社名である「boel」が入っています)。先ほどSEOに効果的なサイト名を考えたので、その名前と合致したドメイン名にするのが理想です。
ただ、先ほど述べたようにドメインは住所なので、すでに使用されている場合は使うことができません。すでに使われているかどうかはドメイン管理運営会社のWebサイトなどで確認できるので、調べておきましょう。
ユーザーにとってわかりやすく利用しやすいサイトにするために、サイトの構造は重要です。階層構造はできる限り浅くしましょう。ユーザーの目指すページに早く到達できるようにするためです。
また、ユーザーが目的のページにスムーズにたどり着けるよう、内部リンクを貼ることも検討しましょう。適切な内部リンクを貼ることで、目的のページに導くことに加え、回遊率アップも期待できます。ただし、内部リンクを貼るのは関連性の高いページ同士のみにしましょう。
SSL(TLS)とはインターネット上でやり取りされる情報を暗号化し、個人情報などの重要なデータを守るためのセキュリティ技術です。インターネットの普及に伴い、暗号化通信の導入の必要性が高まっています。通常のサイトのURLは「http://」で始まりますが、暗号化通信を導入したサイトは「https://」で始まります。
またSEOの観点からも、SSL導入は重要です。Googleは2017年に、Googleが提供するブラウザ(Google Chrome)において、SSL化していないページには警告を出すと発表しています。問い合わせフォームなど部分的にSSL化したサイトも多いですが、これからは全てのページでSSL化していること(=常時SSL)が必須になってきます。
SSLについては、こちらの記事も参考にしてみてください。
コンテンツSEOとは、SEOにおいて「コンテンツ」に重点を置く考え方です。高品質のオリジナルコンテンツを継続的に作成・アップしていくことにより、ユーザーからの評価を高め、結果として検索順位を上げていこうという取り組みです。
Googleは、コンテンツの質を重視してサイトを評価するという指針を強く示しています。つまり「サイトを見る方にとって役に立つ良質なコンテンツを作ることで、結果として検索エンジンの順位が上がる」ということです。
良質なコンテンツとは、ユーザーの悩み、課題を見極め、解決できるようなコンテンツです。オリジナルであることを推奨しているのは、ネットリサーチなどでコンテンツを作成しても、参照したWebサイトの情報が全て正しいとは限らないためです。ネットリサーチが悪いわけではありませんが、頼りすぎず、参照する場合は一時情報をきちんと確認しましょう。
これまで述べた対策をして、効果が出るまでには時間がかかります。定期的にGoogle Analyticsなどの検証ツールを使ってチェックし、サイトをクリックされやすい最適な状態に保ちましょう。
検証ツールについては、こちらの記事を参考にしてみてください。
TIPS VOL.38 知ると便利なWEB解析ツール Googleアナリティクス
Search Consoleも、SEOにおいて有効なツールです。Search Consoleは、Googleの検索結果でのサイトのパフォーマンスを監視、管理できるサービスで、無料で利用できます。
自社サイトがGoogleにどのように認識されているかを確認できるため、検索結果でのサイトのパフォーマンスを最適化する手助けになります。
いかがでしたでしょうか。
繰り返しますが、これからのSEOはモバイル対応が必須です。
また、検索順位を上げることにこだわりすぎてサイトのクオリティが下がってしまっては本末転倒です。Googleは品質に関するガイドラインを公開していますので、目を通してみましょう。
ユーザビリティを忘れずに、SEOに取り組んでいきたいですね。
参考文献:いちばんやさしいSEO入門教室』ふくだたみこ、ソーテック社、2017年
参考:ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)
参考:アウンコンサルティング株式会社「世界40カ国、主要検索エンジンシェア【PC、モバイル】~主要検索エンジンに迫る国独自の検索エンジン~
参考:Googleウェブマスター向け公式ブログ「モバイル ファースト インデックスを開始します」
参考:SEOラボ「モバイルフレンドリーとは~対応とアルゴリズムアップデート影響・SEOについて」
今日もあなたに気づきと発見がありますように
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