今回はフランスの伝統色についてお話しします。知識として少しでも知っておくと、色選びの参考になります。 日本人にはない色のとらえ方や文化、豊かで奥深いフランスの伝統色の魅力や背景などをご紹介します。
デザイナー
A.K.
突然ですが、フランスの伝統色が使われているものといえば何が思いうかびますか?
多くの人はフランスの国旗を思いうかべたのではないでしょうか。
伝統色が青、白、赤のトリコロールで配色されています。
他には、世界的に有名なルイ・ヴィトンの柄であるモノグラムにも伝統色が使われていますね。
実は日本にも馴染み深いものが多くあるんです。
知識として少しでも知っておくと、色選びの参考になります。
また、フランス旅行‥とまではいかなくても、日常で目にするフランスのインテリアや
フランスの映画などを見ることが、より楽しくなるかもしれませんね。
魅力的な色彩をもつ伝統色から耳にしたことがあるような名前や、全然聞いたこともない
ような名前までご紹介します。
マリー・アントワネット
Marie Antoinette
#D61925
R:220 G:91 B:120
CC:9% M:77% Y:33% K:0%
ルージュ
Rouge
#DF212C
R:223 G:33 B:44
C:5% M:96% Y:83% K:0%
ルージュ・ディオール
Rouge Dior
#A31B20
R:163 G:27 B:32
C:35% M:100% Y:100% K:12%
ルージュ・ドゥ・サン
Rouge de sang
#BB262E
R:187 G:38 B:46
C:25% M:96% Y:85% K:5%
ローズ・ポンパドゥール
Rose Pompadour
#ED7A9B
R:237 G:122 B:155
C:0% M:65% Y:15% K:0%
ローズ・サンローラン
Rose saint-Laurent
#EC7B96
R:236 G:123 B:150
C:1% M:64% Y:20% K:0%
フランボワズ
Framboise
#B21160
R:178 G:17 B:96
C:33% M:100% Y:38% K:0%
ブルゴーニュ
Bourgogne
#6E1A3F
R:110 G:26 B:63
C:59% M:100% Y:61% K:24%
ボルドー
Bordeaux
#6D1839
R:109 G:24 B:57
C:57% M:100% Y:66% K:28%
カメリヤ
Camélia
#DD5866<
R:221 G:88 B:102
C:9% M:78% Y:45% K:0%
クルヴェット
Crevette
#ED6E4E
R:237 G:110 B:78
C:0% M:70% Y:65% K:0%
ノワール
Noir
#333132
R:51 G:49 B:50
C:79% M:75% Y:72% K:47%
ブラン・ドゥ・ロワ
Blanc de Roi
#F7F9FC
R:247 G:249 B:252
C:4% M:2% Y:1% K:0%
マスティック
Mastic
#9D927E
R:157 G:146 B:126
C:45% M:41% Y:50% K:0%
ショコラ
Chocolat
#683722
R:104 G:55 B:34
C:56% M:80% Y:93% K:34%
カフェ
Café
#6D3C1F
R:109 G:60 B:31
C:52% M:76% Y:95% K:35%
ジョーヌ・プランタン
Jaune printemps
#FFD900
R:255 G:217 B:0
C:0% M:15% Y:100% K:0%
シトロン
Citron
#D5C80C
R:213 G:200 B:12
C:21% M:16% Y:94% K:0%
ジョンキーユ
Jonquille
#FDCE00
R:253 G:206 B:0
C:0% M:22% Y:100% K:0%
シャンパーニュ
Champagne
#DCA541
R:220 G:165 B:65
C:15% M:40% Y:80% K:0%
ベージュ・シャネル
Beige Chanel
#E6BE9F
R:230 G:190 B:159
C:10% M:30% Y:36% K:0%
カフェ・オレ
Café au lait
#CAAB81
R:202 G:171 B:129C:24% M:35% Y:50% K:0%
マカロン
Macaron
#D1AC69
R:194 G:155 B:63
C:21% M:35% Y:63% K:0%
ヴェール・オリーヴ
Vert olive
#546930
R:84 G:105 B:48
C:72% M:51% Y:100% K:13%
ヴェール
Vert
#009856
R:0 G:152 B:86
C:84% M:14% Y:84% K:0%
ポム
pomme
#69BA50
R:105 G:186 B:80
C:64% M:5% Y:85% K:0%
ローリエ
Laurier
#043A33
R:4 G:58 B:51C:93% M:67% Y:77% K:44%
ブルー・ドゥ・コート・ダジュール
Bleu de Côte d'Azur
#00A8BA
R:0 G:168 B:186
C:78% M:8% Y:28% K:0%
ブルー・ドゥ・モネ
Bleu de Monet
#00839B
R:0 G:131 B:155
C:91% M:32% Y:35% K:0%
ヴェルサイユ
Versailles
#00628D
R:0 G:98 B:141
C:97% M:57% Y:31% K:0%
ブルー・ドゥ・マティス
Bleu de Matisse
#005BA9
R:0 G:91 B:169
C:98% M:60% Y:3% K:0%
ブルー・ドゥ・ピカソ
Bleu de Picasso
#006BA0
R:0 G:107 B:160
C:94% M:50% Y:20% K:0%
ブルー・ドゥ・ナポレオン
Bleu de Napoléon
#375A9A
R:55 G:90 B:154
C:84% M:66% Y:13% K:0%
ブルー・ドゥ・パリ
Bleu de Paris
#26435E
R:38 G:67 B:110
C:91% M:77% Y:50% K:14%
ラピスラジュリ
Lapis lazuli
#27468B
R:39 G:70 B:139
C:91% M:78% Y:17% K:0%
ペチュニア
Pétunia
#67507C
R:103 G:80 B:124
C:70% M:75% Y:32% K:1%
いかがですか?マリー・アントワネットやシャンパーニュ(シャンパン)は
一度は耳にする言葉ですよね。色の名前から連想できるような色がたくさんあって面白いですね。
先ほどは色単体についてご紹介しましたが、
次は実例とともにフランスならではの配色を見ていきましょう。
フランス人の感性やその時代の背景も知ることができます。
Moyen 中世
Baroque バロック
Rococo ロココ
18世紀フランスを代表する画家、アントワーヌ・ヴァトーの「シテール島への巡礼」
出典:https://collections.louvre.fr/en/ark:/53355/cl010061995
Empire アンピール
Art Nouveau アール・ヌーヴォー
アール・ヌーヴォーを代表するグラフィックデザイナー、アルフォンス・ミュシャの「スラヴ叙事詩」
Art Déco アール・デコ
Moderne モダン
フランスで有名な建築家、ル・コルビュジエが設計したフランスのマルセイユにある 「ユニテ・ダビタシオン」
Postmoderne ポストモダン
Côte d’Azur コート・ダジュール
Champ de lavande ラベンダー畑
Colmar コルマール
Le Puy-en-Velay ル・ピュイ=アン=ヴレ
世界遺産「フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」の 一部にもなっているル・ピュイ=アン=ヴレの街並み
Automne 秋の風景
パリにある秋のテュイルリー公園
出典:http://kabegamihd.com/index.php/2013/11/07/1-432/
なんとなくフランスの色彩の特徴がわかりますね。
次にフランスと日本の色彩感覚の違いについてお話しします。
みなさん、太陽といえば何色ですか?そうです、赤ですね。
日本人のほとんどの人が赤と答えるでしょう。日本の国旗である日の丸が代表的ですね。
しかし、フランスで聞くと、ほとんどの人が黄色と答えるそうです。
下の画像は有名なフランスの本「星の王子様」にでてくる太陽です。
このように色のとらえ方が日本とは違います。
他にもフランスでは、りんごといえば緑、月と言えば白です。
虹の色の数は5〜7と人によって違うみたいですよ。(諸説あります)
お国柄なのでしょうか、びっくりですね。
このような違いは、気候や土地、文化や歴史、ファッションなど、
さまざまな違いが影響しているのでしょうね。
幼いころから見ているものが大きく違うのだと思います。とても興味深いですね。
TIPS VOL.21でもご紹介した色見本のフランス版ですね。
デザイナーが色を確認するときに使う実物の色見本です。
Web上で色を探すのもよいですが、実物から色を探すことも大切ですね。
ここでは「DICカラーガイド フランスの伝統色第4版」というものをご紹介しています。
いかかでしたか?色だけで、多彩な文化の違いなどもわかりますね。
フランスの色彩は豊かで、日本にはない色彩感覚もあり、とても勉強になります。
日本人であろうと、フランスの伝統色がふさわしいと思ったら
ためらわずにつかっていけるといいですね。
ケースバイケースでそのデザインやコンセプトにあった色を選ぶことが大切です。
うーん、知れば知るほどフランスにいきたくなりますね…
実は僕はフランスはおろか、海外にいったことがありません。
情報が簡単に手に入る現代はとても便利ですが、自分の目や肌で感じることは
大切にしていきたいものです。
参考:城一夫(2014)「フランスの配色」
参考:城一夫(2014)「フランスの伝統色」
参考:DICグラフィックス株式会社「DIC フランスの伝統色 第4版」
今日もあなたに気づきと発見がありますように
画面を回転してください