新型コロナウイルスの流行は、私たちの行動や考え、価値観を大きく変えました。 「巣ごもり消費」というキーワードが新しいトレンドとして生まれたように、今回は消費者の行動の変化による、これからのブランディングについて考えていきたいと思います。
DESIGNER
M.K.
2020年に世界を襲った新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、わたしたちの生活様式から社会規範までを一変させました。 コロナ禍において、私たちの暮らしはどのように大きく変化していったかみていきたいと思います。
緊急事態宣言が発令された4月。東京では通勤による人の移動を減らすため、 外出制限や自粛によって在宅勤務・テレワークが推奨され、訪問の会議や打ち合わせ、出張が減るなど、主にオンラインでのコミュニケーションが増えました。
生活ではテレワークが推奨され、在宅で仕事をする時間が増えたことから家族のいる人は家族との時間が増えたという人が多くいたのではないでしょうか。家で楽しく過ごすための映画やゲームなどが人気になった要因の一つでしょう。
人混みを避けるべく買い物はなるべくオンラインで購入することが増えました。オンラインの購入では、試着ができないため、お試し期間やレンタルのサービスがECサービスでは多く採用されるようになりました。また購入の決定要因として他の購入者のレビューや評価などを参考に選ぶため、人も多いようです。
大きく3つコロナウイルスの流行による生活の変化として洗い出しました。 働き方から私生活まで、一年前は考えてもみなかった生活が今やあたり前になっていることが改めてわかります。
人々の生活スタイルや価値観が変わる中で、企業はどうあるべきでしょうか。
従来、企業価値は、利益を生むために、どのように消費者に選ばれて、他社との競争に勝ち抜いて生き残れるかということが価値をされてきました。
しかし今は競争、差別化が当たり前となり、消費者にとっては何を選ぶかが定着しにくくなっています。
このような状況を打破するためには、自分たちがどのように競争に勝つかではなくどのようにしたら世の中に価値を与えられるかという世の中への価値を発信していくことが大切になります。
企業が世の中に価値を届けることで、世の中がよくなり、そして自社が世の中から期待され、自社のファンがつくというこのサイクルが考えることがこの不安定な状況の中で企業が長期的に残っていくために必要になるのです。
これはよくパーパスブランディングとも言われパーパス(目的)という揺るぎない軸を明確にして、世の中から指示されるブランディングが鍵となっていきます。
ではどのようにして世の中に発信した企業づくりができるのでしょうか。 世の中での企業の存在意義を示すための一つの例としてご紹介します。
みなさんSDGsは聞いたことがありますでしょうか。
SDGsは2015年9月の国連サミットで採択されました。国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標で、17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されており、以下のように貧困をなくすこと、飢餓をなくすこと、ジェンダー平等や気候変動に対する取り組みなどさまざまなものがあります。
近年このSDGsを取り入れたブランディングに取り組む企業が増えてきています。日本では有名な例として、「人と自然と響き合う」を使命に掲げているサントリーグループをご紹介します。サントリーグループにとって大切な役割を果たしている水にサステナビリティを重視し、人と自然が互いに良い影響を与えあい持続する社会を目指しています。
これは大企業だけではなく、中小企業のブランディングでも変わりはありません。もう一度会社の原点を見直し、その会社ならではのストーリーとSDGsの取り組みを組み合わせることで企業が発信するイメージや信頼性を高め、世の中に求められる企業づくりが可能になります。
また、今後の日本を支えるZ世代やミレニアル世代といわれる若者層は、サステナブルな取り組みに対してとても敏感だといわれています。高い企業イメージやブランドイメージをもつ企業には、優秀な人材が集まります。SDGsに積極的に取り組む企業は、人材の採用の面でも有利になってくるのです。
2020年は人々の価値観が大きく変化した一年でした。
2021年は企業にとって、一度立ち止まり、存在意義や原点というものを見つめ直す機会をでもあるのではないでしょうか。
何を世の中への発信ができるかもう一度見直してみませんか。
今日もあなたに気づきと発見がありますように
画面を回転してください